「ゆるぎない信頼は、
妥協のない開発から生まれる。
M.Tさん
2006年度入社
ハギワラソリューションズ 開発部 基礎技術開発グループ

合理性の追求ではなく、
絶対的な信頼性を追求していく。

産業用フラッシュストレージメーカーであり、エレコムグループの一員でもあるハギワラソリューションズにて、産業用SSDのファームウェア設計を手掛けています。産業用SSDは、製造設備やプラントをコントロールするコンピューター、鉄道や航空分野の運航管理システムなど、社会を支える様々な分野で使われることを想定した製品です。それだけに非常に高い信頼性が求められます。

例えば、交通システムに不具合が起これば、大規模な渋滞が発生してしまい、都市の交通機能が麻痺するリスクが考えられます。また、電車や飛行機を運航できないといった事態が起これば、その経済的損失は計り知れません。それだけに、どんな状況にあっても安定稼働する極めて高い信頼性が我々の製品には求められるのです。

では、どうやって製品の信頼性を高めていくのか。その答えのひとつが、自社でゼロから設計・開発することにあります。現在の開発手法の主流となりつつあるのが、モジュール化されたものを組み合わせた製品開発です。すでにある汎用性の高いモジュールをいくつも組み合わせて、短時間で設計も開発もしてしまおうというやり方です。

そのような開発手法を念頭に置きながら、私たちは主要なモジュールを全て自社内で、ゼロベースから生み出していくやり方を採用しています。製品はもちろん、評価システムも自分たちで作ります。と言うのも、既存の設計にこだわり過ぎたり汎用的なソフトウェア、ハードウェアを使ってしまうと、どうしても思ったような性能を出せなかったり、中にはブラックボックス化された箇所の不具合解析が困難であったりするためです。自社で、SSDに特化し性能や信頼性を高めた設計資産をモジュール化できれば、必要に応じてそれらを改良しながら、後継製品の開発を効率化できます。

産業用製品が故障した場合は、同じ故障や不具合が二度と起こらないよう、徹底的に原因を特定し対策することが求められます。「なぜ故障が発生したのか」「どんな原理で不具合が起こったのか」といったことを全て解き明かし、経緯も全て公表する必要があります。だからこそ、メーカーである以上、製品の細部まで解析可能でなければなりません。効率が良いとは言えませんが、全てを自分たちで生み出すからこそ実現できる信頼性が、私たちの産業機器メーカーとしてのこだわりです。

基本機能を大切にするメーカーだからこそ、
まじめに人を育てていく。

ストレージメーカーとしてポリシーを持って製品づくりを手掛けていますが、皆さんの目には、なかなかやりがいが分かりづらい仕事として映っているかもしれません。自分たちの仕事の成果である製品が、一般の人の目に触れる機会がほとんどないので、仕方がない部分です。

私たちの仕事は制御IC内部のハードウェアの動きを理解した上でそれらを駆使しSSD全体を制御するといった地道な仕事で、最初は上手くいかないこともあります。上手く動いたとしても、想定した通りの性能が発揮されていないなど、思い通りにいかないことも多い。でも、だからこそ面白い仕事であると感じています。答えを一つひとつ見つけてゴールを目指す。そのプロセスが面白いと思える人は、きっとこの仕事に向いているはずです。

私自身も、最初からストレージに詳しかったわけではありません。入社1年目は、制御ICの設計から教えてもらい、いろいろな開発に携わる中で、多くの人との出会いがありました。中でも自分の成長にすごく影響したと思うのが、技術者として非常にレベルの高い国内外の方々と一緒に仕事ができたことです。

台湾の合弁会社と共にプロジェクトを進めた際には、少人数の中で小さな機能ブロック開発からでしたが責任を持たせてもらうことができました。動作原理を基礎から学び、その時間も十分に用意してもらえたことが、今の自分に繋がっています。基本機能を大切にしたまじめな開発に取り組む会社ですから、人材の育成にもしっかりと時間をかけています。効率のために都合の良いものを集めてきて製品を作る開発ではなく、基礎からしっかりと学べる開発を経験できるのも、私たちの仕事の魅力です。

チャレンジできる環境がエレコムグループの強み。

ハギワラソリューションズに限らず、エレコムグループには充実した開発環境があり、いろいろなことにチャレンジできる社風があると思います。多くの人は、エレコムグループがコンシューマー向け製品のみを手掛けるメーカーのイメージを抱くかもしれませんが、信頼性を最重視した産業機器向けの製品開発を手掛けている私たちのような部署もあり、エンジニアにとっていろいろな活躍の場が用意されています。

一つの製品を作るためには、設計~実装~評価という一連の流れがあり、各工程はさらに細分化されていきます。大人数の開発体制では、必然的に分業化が進み、エンジニアの仕事も部分的な限られた範囲になりがちです。過度な分業体制はエンジニアのモチベーションの低下を招き、生産性の低下につながりかねません。

一方、私たちは製品開発の最初から最後まで、さらには売った後も長期的なサポートを提供し、上流から下流まで全てのプロセスを自社で行っています。その中で一人ひとりが自身の専門分野を持ち、それらをとことん突き詰めて力を発揮していけることによるやりがいも感じることができます。

本当のゼロからの製品開発には、この仕事でなければ手にできない貴重な経験があり、その経験がエンジニアとしての自分を成長させてくれます。エレコムグループは、浅い知識をむやみに身に付けるのではなく、深い専門性を持ったエンジニアを育ててくれます。これからも高い技術を持つエンジニアが数多く育っていき、エンジニアの社会的な地位の向上が図られていくことを期待しています。

「テクノロジー」×可能性=

エンジニアが主導権を持って新しい製品を開発し、新たな付加価値を生み出していくことで、エレコムグループはさらに大きく発展していくと思います。言われたものを作ることがエンジニアの仕事ではありません。技術先行の研究開発によって、エンジニアの存在を広く示していくことは十分に可能です。エレコムグループには、最先端のテクノロジーを生み出すだけの開発体制があるので、いろいろな可能性にチャレンジしていきたいと思います。